2024年6月より満を持して取り扱いがスタートしたアイウェアブランド『VioRou:ヴィオルー』。
実は、当店の試着サービスをご利用のお客様から「取り扱ってほしい」との要望を最も多く頂いていたのがこのブランド。強度近視さんの心を魅了するアイウェアブランド「VioRou」とは?当ブログでは、デザイナー・小野寺慎吾さんのインタビューからブランドの魅力を紐解いていきます。
ーそもそも、ブランドを始めたきっかけは何だったのでしょうか?僕は元々、東京のメガネ屋で働いていました。そのお店でオリジナルブランドを出すことになりまして。鯖江で勉強をしながらデザインをするようになりました。当時のお客様の7割が女性だったので、レディースブランドという位置付け。でも「このままレディースブランドでいいのか。おれ男だしな(笑)」と自分のキャリアを考えた時、リアルな接客を介した改善点というのも見えてたので、独立してブランドを始めました。ちなみに、同じところから独立したのは、僕(VioRou)とAKITTOの川上君です(笑)。
ーそうだったんですね(笑)。どういったデザインのメガネを作り始めたのですか?ブランドを始めた当時、今もまだそうですが、女性ってあまりメガネを掛けたがらないんですよね。メガネを掛けると、顔が変わってしまうから。度付きのレンズを入れると目って変化しますよね。目が変わると顔の輪郭も変わってしまう。せっかくメイクしてもメガネだと目が小さく見えるからイヤ。「私メガネ似合わないからかけない」になってしまうんです。じゃあ、
目の大きさが変わらなければかけてもらえると考えました。
ーなるほど。でも、具体的にはどうすれば…目の周りをわざと強調することで、目が小さく見えないトリックを用いたデザインにしました。1つは、太いリム線(※メガネの縁のこと)です。僕のフレームって少し太くないですか?一般的なフレームのリムって大体1.1㎜ですが、僕のは1.8㎜とかなり太くしてます。もう1つは、カラーリングですね。テンプルとリムでカラーを変えることで目の周りがより強調されます。今までコンタクトが主だったけど、これだったら掛けられる!と思ってもらえるデザインが理想です。
ー当店でも同じ悩みを持つお客様の話をよく聞くので、共感される方も多いはずです! では、実際にフレームも見ていきたいです。VioRouにはシリーズがあるそうですが…そうです。日日眼鏡さんでは、「Basic」と「Standard」を扱っていただいてますよね。1つは“ベーシック”です。僕は中学2年生の時にメガネを掛け始めたんですが、僕の中では良いメガネは時計と一緒で、ゴツくてカッチリしてるものなんですよね。これを表現したのがベーシックというシリーズで、特徴は丸いテンプルです。
ー確かにここまで丸いテンプルは初めて見ました!眼鏡店で働いている時に気付いたことですが、メガネで一番多い修理は「再塗装」です。特にエッジの部分は塗膜が薄いから塗装が剝がれやすい。じゃあ角を無くせばいいじゃん、と (笑)。 丸いテンプルにすれば、塗膜が均一に保てるので、修理を遅らせることができる。ただ、強度がでる半面硬くなるので、しっかりフィッティングできるように調整しやすい構造にしています。
ー調整しやすいのは、眼鏡屋としても助かります(嬉)
次は、“スタンダード”ですね。ベーシック・シリーズの主語が「僕の」に対して、スタンダードは「お客様の」です。つまり、いまのスタンダードなメガネを僕なりに解釈したシリーズです。実は、ベーシックシリーズが最初全然ウケなくて(笑)。「硬い」ってところがその当時の市場とナンセンスだったみたい。どうしようと思っていた時に、たまたま鯖江の金属加工メーカーさんと話す機会があって。その時、金属を編む技術を紹介されたんですが、急にピンときちゃって「それください!」と即答をしました。そのときのβチタンを3つ編みにしたテンプルを使ってるのが、スタンダードシリーズの特徴です。
可愛いです!しかも、弾力性がありますね、掛け心地も良さそう。そうです!このバネらせるということがポイントで、「スタンダード」のリリースがブランドの転換期になりました。そこからは、逆に「ベーシック」も支持されるようになり、他に類をみないメガネブランドとして認識されるようになりました。